主従関係という言葉を聞いてどのようなイメージを持ちますか？
主は主人で従は従業員、あるいは極端な物言いをすれば
奴隷的なイメージで捉えることも出来るかもしれません。
結局は人それぞれが言葉に対して持っているイメージで
若干異なるのでしょうが、多少の程度の差こそあれ、
主従関係という時には主がメインで従は脇役的な立ち位置で
捉えられているように思います。

仕事上において主従関係というと、ともすると雇用主と
従業員がこれに相当すると勘違いされている方々もいるかも
しれません。
雇用主、すなわち経営者が主体で従業員はその道具という
感覚です。
もし、ちょっとでもこのような錯覚を抱いている方がいるとしたら
日々の仕事の成果は間違いなく生産性が低いでしょう。

なぜなら、どこの業界の研修でも指摘されることですが、
自らの意思で思考して主体的に取り組むのと、
指示されたことを嫌々ながら受け身で取り組むのとでは
仮に同じ行為をしていたとしても精度やスピードが全く
変わってくるためです。
これが生産性に直結するので、誰にでもイメージ出来ることでしょう。

なぜ、雇用関係が雇用主と従業員との主従関係だという
大いなる勘違いが広まってしまったのでしょうか？
色々原因はあるのかもしれませんが、いわゆる研修会社が
ビジネスとして成立していくにはこれが一番楽に、しかも
継続して売り上げを上げられるためです。

研修会社としては成果が上がってしまい、自分たちの
研修を継続しなくても、自社内で改善出来るような体制を
構築されてしまっては、一時しか売り上げが出ません。
ですので、慢性的な問題の種を植え付けておく必要があります。
これは病院が患者を完全に健康体にしてしまい、病気に
ならない生活習慣を身につけさせてしまうと、患者が入ってこなくなるので
病気をリピートさせるために根本療法をしないことと
同じ構造です。

しかも雇用関係が主従関係と言ってしまえば、いわゆる
「会社の方針」を洗脳するだけで、研修を行ったという
建前が出来るので、非常にお手軽なのです。
人は誰もが自分の人生を生きていきたいと望んでいます。
奴隷で生きたいと望む人は一握りでしょう。そんな人たちに
雇用主が主体で従業員は奴隷だと研修したらどうなるでしょうか？
当然生産性は低下します。
だから毎年継続して研修を売ることが出来るのです。

これらは大きな勘違いであり、錯覚です。
実はこの構造は介護にも言えることなのです。
しばしば介護職員が主張する愚痴の一つに
「利用者が自分のことをお手伝いや奴隷のように捉えている
節がある」という主張があります。
それは上記の主従関係に関しての勘違いでもって、介護職も
利用者も錯覚しているからに過ぎません。
ちょっと長くなってしまうかもしれませんが、ビジネスにおける
根本的な認識の話なので、これから複数回にわたって
本当の主従関係の認識についてお伝えしていこうと思います。

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