仕事をやっていると「もう嫌だ」と思うことは一度ならずあることでしょう。
そしてそんな逆境を乗り越えることで成長していくものなのかもしれません。
ただし、逆境を乗り越えていくにはいくつかの手段を持っている必要があるでしょう。

それは先輩や上司がどのように同じような逆境を乗り越えてきたのかの手段の共有。
自身の折れないマインドセット。
相談できる相手。愚痴を吐ける仲間などなど。。。

ところが介護業界の中でも特定のスタイルの介護に関してはこれらの手段がなかなか機能しないという問題があるのです。
それが利用者宅を訪問して支援にあたる訪問系の介護です。

一昔前は介護と言えば特定の施設に入居して、そこでヘルパーの支援を受けるというものが中心でした。
しかしながら個人の意思を尊重していくことや、施設を全国に展開していく予算などの様々な状況から
在宅支援へと政策の方針が変わってきております。

さて、利用者宅へ訪問するということは、自身が利用者の立場を想像してみると分かりますが、
不特定多数の人に押し入られるのは避けたいものですよね。
それでも生活のためにヘルパーを呼ばなければならないのであれば限られた人にだけ来てほしいものではないでしょうか？

そうすると最初の引継ぎの際には同行研修ということもあり得るでしょうが、独り立ちの際には完全にたった一人での
直行直帰となってくるのです。
これはある意味で気楽と言えるかもしれませんね。誰も監視することがないのですから。

ただ、利用者としてみれば自分の家に他人であるヘルパーを招いている状態。
当然気分的にもイライラすることもあったり、落ち込むこともあったりするでしょう。
そんな時に矛盾しているとは分かりながらもヘルパーに強く当たってしまう人がいることもまた事実なのです。
これまでの投稿では介護業界のビジネスとしての可能性を謳ってきましたが、なぜそれだけ魅力的な業界が常時人手不足状態なのでしょう？

それこそこの定着率の問題なのです。
利用者の心の状態なのによってついつい身近なヘルパーにあたってしまうということは人間であればだれにでもあり得ること。
しかしながらそれを相談できる環境がないとついつい「これは私が悪いんだ」と思い込んでしまい、誰にも相談できないまま
介護業界から身を引いてしまったり。。。

利用者側もそれによって長年連れ添っていたヘルパーがいなくなると、またゼロから細かい指導をしないといけないので
更にストレスを感じる機会も増えて・・・。と悪循環に陥ってしまっていると言えるでしょう。

ではどのようにすればよいのか？直行直帰なのでなかなか先輩に相談するにも時間的に厳しいということはあるかもしれません。
ただ、ヘルパー側で出来ることと出来ないこととを区別すれば自ずと対応策は決まってくるものです。

まず利用者の気持ちを変化させない、ということはヘルパー側で出来ることではありません。したがって利用者が強く当たらないようにする、という選択肢は無視しましょう。
これは自分ごとに置き換えればわかると思います。きっと一度くらいはいらいらして誰かに当たってしまうという経験は誰にでもあることでしょうから。
ではこの状況を悪く解釈して、「もう自分が介護業界ではやっていけない」と判断を下しているヘルパー自身の背景を変えていくにはどのようにすればよいのでしょうか？

それこそが、マッチングの選択肢を増やしておくこと、に他なりません。目の前の利用者しか入れない、という前提があるから
その人から強く当たられた際に「もうだめだ」となってしまうだけなのです。
これは一般の企業でも同じことで、例えばリストラにあっても生き生きとして、別の会社で活躍を続ける人もいれば、落ち込んでしまう人もいます。
生き生きと活躍する人は、その人自身がどこへ行っても活躍できる、というだけのスキルや経験、自信を持っているから、一か所に縛られる必要性を感じていないためです。

同じことを介護業界で行えばいいだけなのです。そしてそれを行うには非常にシンプルです。
一般企業であれば様々な資格や経験、自信など様々な要素が無ければ厳しいでしょうが、介護業界で言えば
それは一つだけ。資格なのです。しかもその資格も研修を受講すればだれでも取得できるものです。
問題はその受講のための自己投資をする意思があるかどうかだけと言えるでしょう。

実務者研修はそういった意味でも自身の選択肢を広げる包括的な研修と言えます。
初任者研修でもいいのかもしれませんが上位資格でもある実務者研修の方がサービス提供責任者にもなれますので、
より一層の自信につながってくることでしょう。

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