利用者を言い訳にして、自分の人生に責任を負わないヘルパーが
利用者の愚痴を言う、これこそが介護業界の闇だと言えるでしょう。
その背景をこれまでの2回で記してきたわけです。
ラ・ポールとは自分の熱量次第で変化してくるもの。
では熱量はどのような時に生じるのでしょうか？
実はこの問いかけこそが今回のブログを通じての最重要事項なのです。

ちょっとイメージしてみてください。あなたが寝食忘れてしまうくらい没頭して
気が付いたら何時間も経過してしまうような趣味をやっていることを。
恐らく誰かにやらされているわけではなく、自ら望んで寝食を忘れている
という状況ではないでしょうか？
ひょっとしたら周囲の人からは「これ以上は身体を壊すからいったん
控えなさい」とストップさえかかっているかもしれません。

そんな没頭している何かをイメージしてみてください。
それが出来たら次のステップです。逆に絶対に自分がやりたくないことを
強制されて、やらされているところをイメージしてみてください。
・自分が望んで取り組んでいること
・他人から強制されて嫌々ながらやっていること

それぞれイメージ出来たでしょうか？
ではここでちょっとイメージを発展させてみましょう。
実際に行う行動に関しては上記の2つ、すなわち
・自分が望んで取り組んでいること
・他人から強制されて嫌々ながらやっていること
が同じ行動を行うのだとしたらどちらが生産性は高いでしょうか？

答えは簡単ですね。当然前者のはずです。
つまり、自分で望んで選択したことに関しては生産性が高いのです。
生産性が高いということはビジネスで言えば圧倒的な成果を生み出します。
それはお金という対価となって訪れるわけです。
例えば実務者研修を受講するという選択。

行動自体は同じであっても
・自分が望んで取り組んでいること
として受講されるのであれば、身につくものも圧倒的に多くなるでしょう。
反面
・他人から強制されて嫌々ながらやっていること
として受講されるのであれば、仮に所属事業所が全額費用を負担してくれていても
成果は乏しいはずです。

ではなぜこのようなことが生じるのかと言えば、ヘルパー自身が
所属事業所とのラ・ポールを構築する際に、自分の選択権やコントロール権を
事業所に明け渡してしまっているからです。
熱量が足りていないから事業所にコントロールされるのです。
そして自分で責任を放棄しておきながら所属事業所の愚痴を言う。
これこそ冒頭の利用者への愚痴と全く同じ構造だとお気づきになるでしょうか？

「介護職としてそこまで熱量持てないよ」というのであれば簡単な
ところから始めてみるといいかもしれません。
やはり、これまで自分が何に対して熱量を持てるかを明確に
してこなかった方々にいきなり熱量を持て、と言ったところで時間がかかるからです。
では誰でも始められる簡単なステップとは何か？
それは「嫌なことはやらない」ということです。

ただし、仕事として取り組むうえで、毎回拒絶していたのでは仕事自体が
なくなってしまうかもしれません。
そのため、どうしてもやりたくはないけれど、やる必要性を感じることが
あるのだとしたら「自ら望んで取り組んでいる」と置き換えてみるだけです。
そうすると成果が出ます。成果が出ると嫌だったことが好きになるかもしれません。
こうして自分の人生のコントロール権を取り戻していけばいいのです。
介護職だから最低でも介護福祉士を目指す、という必要はありません。
自分が望む人生を自分の責任で選択していけばいいだけです。
そしてそんなライフスタイルをヘルパーが送っているからこそ利用者に対して
「自立支援」が可能なのです。

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