「価格」とはビジネスで非常に重要な要素です。
なぜなら売上とは以前からお伝えしている通り、
売上＝客数×客単価×購入頻度
となりますので、この客単価こそ価格だからです。

今までと全く同じ客数、全く同じ商品により
同じ購入頻度だとしても価格を上げれば
当然売り上げは上がります。
だからこそ価格は重要なのですが、そこまで単純ではありません。

なぜなら市場に流通している商品やサービスを独占しているなら
価格を上げれば嫌でも売り上げも上がるでしょうが、
大抵の場合は独占状態にはなっておらず、
競争相手がいます。従って価格を上げると
相対的に競争相手の価格が安く見えてしまい、
価格重視の方々が移行してしまうというリスクがあるからです。
シンプルに客数が減るということですね。

ですので価格を上げながらも客数を維持するような
工夫と言いますか、トリックを様々凝らします。
当然法律によって縛られている部分もありますが、
注意力がない方や、ぼーっとしているだけの
人はついつい引っかかってしまうでしょう。

いくつか例にとってご紹介します。
①消費税を乗せない価格を前面に出す
これは一番シンプルですね。しかし10%違ってくるので
安く見せるには手っ取り早い行為です。
当然税込みの総額を掲載するのがルールではありますが
敢えて税別価格を前面に乗せ、フォントを変えたり
色を変えて目立たなくさせることで税抜き価格が
価格のように見せてしまえば簡単に「釣れます」。

ましてや重要なのが認知的整合性。
実際に税抜き価格で申し込みをしようと決断し、
その手続きを進めた場合、最後の決済の段階になって
初めて税込みの総額が表示されます。
そうなってしまうと、そこまでのかなり面倒な手続きを
やってきた自分を偽らないために、そのまま
決済してしまう方が大半です。

冷静に考えてみるとその数万円の差額を稼ぐのに
どれだけの時間を働く必要があるのでしょうか？
その時間よりも申し込みを取りやめるという
時間を重要視してしまうのは簡単な心理トリックで
騙されているからに他ありません。

②必要事項をオプションで単価を吊り上げる。
実務者研修を受講するにはテキストが必須です。
大体このテキスト代は15,000円～20,000円程度します。
これは開講しているスクールではなく出版社に
行く費用なので、どこでもそこまで変わりません。
しかし必須のテキストを最終的にオプションとして
表示しておいて、それを必須項目にしてしまうのです。
そうするとテキスト代抜きの価格がいい、
と思って決断すると上記と同様の結末になります。

③事務手数料、教室使用料など意味不明な費用で追加
本来講座を開講するには当然事務処理に費用は発生します。
だからこそそれらを踏まえて講座費用を設定するのでしょうが、
それを別枠にして、表示するという戦略を取ることも出来ます。
人件費になりますので結構大きな金額になりますよ。

などなど、結局のところ、注意すべきはシンプルに
「総額いくらで受講できるのか？」という一点に尽きます。
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