介護業界でそれなりの収入を得ていくには資格が必須です。
これは以前厚生労働省から発表されていたデータですが、
それによるといわゆる正社員の方の月給の平均金額は以下の通り。
無資格者：27万5920円
介護福祉士：32万9250円

差額は約5万円。ということは1年間全く同じ仕事をしたとしても
この資格があるかどうかで最低でも60万円近くは開きが出てくる
ということです。
もし、60万円があったら何が出来るでしょうか？

きっと家族サービスも出来るでしょうし、旅行にだって
行けるでしょう。あるいは車を購入する費用の頭金などに
充てることだって出来そうです。
意外と資格による金額は毎月毎月の給与なので軽視されがちですが、
このように年収で見てみると全然違ったものであることが分かります。

当然介護福祉士を受験するには介護の実務経験が3年以上あることが
必要条件となりますので、技術は一定水準求められるでしょう。
しかし、中にはそれ以上の実務経験を持っていながら
もう一つの条件である実務者研修を取得していないばかりに
介護福祉士の受験資格を満たせない方もいらっしゃるのです。

正直、仕事に関してお金だけで考えるものではない
というのは分かります。やりがいであったり、一緒に働く
仲間との人間関係。あるいは自分が担当している利用者など。
そういった様々な要因で仕事の充実度というのは
変わってくるのでしょうが、それでも金銭面が重要な
要素であることは間違いないでしょう。

全くの無資格者の方が実務者研修を受講しようとすると
最低でも7回の通学が必須となります。
これは行政によって定められたルールですので、通学の
日程は調整する必要があるということですね。
ただし、無資格者の方の場合はどれだけ早く実務者研修の
カリキュラムを修了したとしても修了証の発行は早くて半年後。

ということはスクール側のスケジュールに振り回されることなく
ご自身のタイミングで半年間の中で7回の日程を調整しても
修了証の発行日は同じだということです。
もちろん振替に関しては様々な規定がスクールによって
定められておりますので、どこでも通用するわけではありませんが、
参考にはなるでしょう。

問題は通学ではなくもう一つのカリキュラム。自宅学習です。
やり方はスクールによってまちまちでしょうが、基本は
問題集をテキストを参照しながら回答していくというスタイルです。
それで、大多数の方は問題なくテキストを読み込み、回答することで
自然と知識を身に着けていくのです。

しかしながら一定数「どこに答えがあるのか教えてくれないと分からない」
という方々がいらっしゃいます。
率直に言ってしまえば、介護には向かないという方でしょう。
なぜなら介護の基本は自立支援だからです。
利用者の自立を支援するには当然ヘルパー本人が
自立の意識、すなわち自己責任で生きていることが前提になります。

そうした際に「答えを教えてもらえないから分からない」
という完全に他責なスタンスでは利用者にとって非常に害になります。
中には実務者研修のカリキュラムの主旨をそのあたりまで
しっかりと認識して、分からないものでも、何度も調べる方もいらっしゃいます。
当然そのような自己責任の方はかなりの知識を身に着けて
実務者研修を修了されます。

しばしば「自宅学習をやりこなせるか不安です」という方もいますが、
実は上記のような背景があると知っておくと、
介護に対しての向き合い方が求められているということに
気付かれるのではないでしょうか？
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