しばしば目にする名言らしきフレーズ。
「過去は書き換えられない。変えられるのは未来だけ」
なんとなく響きとしても納得感としてもありそうな感じですよね。
でもちょっとこのフレーズ、おかしいと思ってしまうのです。
どこが変なのでしょうか？

いわゆる自己啓発的な名言を「おかしい」と主張する方が
どうかしているという指摘もあることでしょう。
なぜなら大勢の方々が納得するような名言に対して疑問を示す
ということは大勢の方々に対して間違っていると指摘している
ようなものだからです。

確率論で言っても大人数が間違える可能性の方が小さいわけですし、
もし仮に大勢が間違っているとすると、それは大勢が陥ってしまう
ポイントがあるということになります。
つまりは陥りやすい落とし穴だということですね。
しかしあるのです。

ちょっと冷静に考えてみてください。
あなたが今、何歳かは一旦脇に置いておいて、いくつまで生きますか？
いくつで死にますか？
あと何年残っているでしょう？

「なんて不謹慎な！」というお怒りの声も聞こえてきそうですが、
いつまで生きるかは分からないものの、いずれは必ず死ぬ、
ということだけは当然の帰結として誰もが持っているということですよね。
ということは言い換えれば、私たちは人間である限り
限りのある有限な存在だということです。

（一部では内閣府が推進しているムーンショット計画が
その目指すところは有限な存在という前提さえも書き換えようと
するという説もありますが、それはもはや人間をやめるということです）

いずれにせよ、有限な存在である私たちになぜ未来が書き換えられるのか？
それは未来には無限の可能性があるから。可能性が一つに定まっていないから
書き換えられるということです。
耳障りはいいですね。しかしちょっと待ってください。
それって前提として自分の未来を自分で決めていないということ。
もっと言ってしまえば将来に対して何の期待もしていないということが
前提ですよね。

大人が将来に期待を抱いていないと子供はその背中を見ていますので
将来に期待をしなくなります。
それこそどのような逆境が起ころうが、自分が決めた未来を
生きに行く、という方が自身の人生を自分でコントロールするということに
なるのではないでしょうか？

自分が望む未来を定め、それを取りに実際に行動を起こす。
そんな未来に対して前向きな姿勢を子供が見たら、
きっと未来に期待を持つと思います。ひょっとしたら40歳以下の
一番の死因が自殺だというのも大人の生きざまに責任があるのではないでしょうか？

例えば将来的に介護福祉士になって、介護業界に自分が
革命を起こしたい、そんな夢を抱いている人がいたとして
まだ勉強が十分でないからと介護福祉士の受験を先延ばしにするでしょうか？
受験して仮に不合格だったとしても毎年何度でもチャレンジするだけではないでしょうか？
自分の生きざまが本気かどうかは行動に現れます。
それが子供の生き方にさえ影響するとしたらどのような生き方をしますか？

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