そもそもは自分の意志の力だけでは心臓の動きを
何も使わずに止めることはほぼ出来ないということから
人は生きているのか、あるいは生かされているのか、という
議論を展開してきました。
そこから前回までの最終章で一応当初の予告通り
介護の世界に絡めて結論づけるところまではいきました。

前回までの結論としては自らをきちんと愛し、自分自身を
大切に出来ている人でないと、他人に依存してしまい、
結果として自分で生きているという実感が無くなる、
そうすると生かされている、と感じるようになっていくのでは
ということでした。

「いやいやそんなことはない！」という意見も出てくるでしょうが、
それこそが潜在意識と顕在意識との矛盾であり、
認めたくない顕在意識が潜在意識レベルの依存性を
否定したいだけなのでしょう。

ここでは一度、この説を受け入れた上で、
「じゃあ本当の意味でもしっかりと自立し、自分を大切に
出来るようになっていくことで、自分が関わる介護の
仕事に関しても単なる金儲けの手段としてではなく、
その介護の支援を通じて自分の価値が社会で広がっていく」
ようにしてみたいと思いませんか？

早い話が自らの潜在意識を書き換えていくという作業です。
これが出来るようになるとまずは自分のことを
健康でいさせようとします。
イメージしやすいように言えば、自分の大好きな人を
想像してみてください。
その人が大病を患っていたらつらい気持ちになりますよね。

その大切な人が自分自身だとしたら、本当に日々気にかけるように
なるはずです。大切な人とデートするなら
単に美味しいだけでなく、健康的なものを選ぼうとするでしょう。
そんな感覚です。

つまり病気になるということは病気になるような習慣を
生きている訳であり、そんな自分のことを追い詰めるような
習慣を選択をしているのは、裏側に自分のことなどどうでもいい、
という思い込みがあるからに他なりません。
これが潜在意識レベルで行われているので通常の方法では
書き換えが難しいでしょう。

潜在意識を書き換えるには昔から催眠術が良いと言われております。
催眠術というと怪しいと感じる人もいるかもしれませんが、
脳の機能からすると非常に理にかなった方法です。
以前もお伝えしている通り、脳は極度の栄養失調状態です。
そのため自ら判断するということをなるべくしないようにしています。
判断にはエネルギーが必要だからです。

従って栄養失調状態の脳をコントロールするには
2パターンしかありません。一点集中か混乱かです。
一点集中というものがいわゆる催眠術のイメージでもある
懐中時計を揺らして、その動きを目で追わせている際に
「あなたはだんだん眠くなる」というものですね。

これは時計の規則的な動きを目で追っていると、
当初は動物的本能で動きに意識が集中するのですが、
規則正しくしか動かないので、徐々に注意散漫になっていきます。
そのタイミングで暗示文が潜在意識に刷り込まれるというものですね。
ただ、この方法、実際にやろうとすると結構怪しく見えます。

なので最近は現代催眠と言われる混乱技法が
非常によく使われます。
混乱は一点集中とはことなり、とにかくいろいろな情報を一気に与えて
脳の情報処理能力をオーバーヒートさせてしまうのです。
脳が情報処理できないので判断出来ないまま潜在意識に
暗示文が刷り込まれる、という訳です。

考えてみれば、自分のことを嫌いになるのも同じ原則でしょう。
例えば職場などで批判があって自信を喪失する、
その時は仕事に追われて冷静な判断が出来ないオーバーヒート状態のはずです。
そんな時に罵声を浴びせられるとその罵声が暗示文となって
潜在意識を書き換えてしまうのです。

普段の自分の言葉に気を配り、すべてを自分の選択の結果として
受け止めていくようにすると本当の意味での自立支援も出来るかもしれませんね。

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