何事においても立場というものがあり、それぞれの立場で
ものの見え方というものは変わってくるものです。
従って絶対的に正しいことというのは存在せず、その人が
どのような立場に立って主張しているかだけだと言えるでしょう。
もちろん、個人の表現の自由というものがありますので、
誰であってもその立場と、それに基づく考え方自体を批判されるというのは
おかしな話で、もし、その批判を認めてしまうということがあれば
それは一種の独裁であり、宗教と言えるでしょう。

例えば先日国葬が実施された安倍首相に関して。
国葬の是非に関しては人それぞれ、立場があるので正しいとも
間違っているとも言えはしないでしょうが、支持する人は
支持をすればいいし、反対する人は反対すればいいだけで、
支持している人を反対派の人が否定したり、あるいはその逆で
反対派の人を支持する人が拒否するという行為自体が異常です。

自分の意見だけ認めてほしい、他人の意見は受け入れないというのは
自己主張ではなく我がままです。これこそが公序良俗違反と言えるでしょう。
通常で考えれば葬儀自体は誰のものであったとしても厳かに行われるべきだと
個人的には思っております。
そこに税金が投入されることと葬儀でお亡くなりになった方を
送り出すことというのは別次元の話で、あえて「出席しません」
というアピールをされている方はこの区分け自体が出来ていないのでしょう。

少なくとも例えば会社で勤務していて、同僚が無くなったとして
それを社葬で行うとなった時に、本来なら自分たちの賞与の原資に
なっていたはずの費用で社葬をするなんて無駄だ、という意見も
もちろんあるでしょうが、葬儀自体を欠席したり、あるいは
「行きません」と表明すること自体があり得ないような気がしています。
ただし、これも立場次第。葬儀をアピールの場として活用する、
という立場の方々からすれば、それが絶対的な正義なのでしょう。

同様に介護で稼ぐということに対して一定数嫌悪感を感じられる方がいます。
これもいい悪いではなく、そのような立場というだけのことです。
これは何もヘルパー側の立場だけではなく、利用者側にもいます。
そのような方々からしてみれば、介護を通じて稼いで
生活している人たちが異常だ、となるのでしょう。
介護はボランティアでやるべき、という思考です。

ただし、ここでも重要なのは立場それ自体はお互いに
認め合えばいいというだけです。もし、自分自身がどうしても
相手の立場を受け入れられない、とするのだとしたら
自分から距離を取って関わらないようにすればいいだけで
いちいち相手の立場を否定しようとわがままを通す必要がないということです。
それが民主主義というものです。

介護はボランティアで、という主張は分かります。
しかし、どれだけ貢献精神が満たされるような崇高な行為であっても
自身がすり減ってしまい、精神が満たされなければ共倒れします。
実際に介護現場で発生している介護離職などはこのような
ものだと言えるでしょう。
だからこそ介護をしっかりとビジネスとして捉えるという視点もまた
重要だと思う訳です。

そして介護業界をビジネスとして見たときに、稼いでいく上で
一番の武器となるのが実務者研修。
サービス提供責任者になることも出来る資格、ということは
単純に言い換えれば1馬力で稼いでいたものを多馬力に出来る
ということです。
だから大きく稼げるわけです。
介護をビジネスとして捉えて、しっかりと自分自身を潤し、
心に余裕を持った状態で介護にあたっていこうと思うのであれば
実務者研修は必須だと言えます。

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