しばしば言われることですが「本音と建て前」というものが意外と重要だったりします。
特にユースタイルカレッジのように研修事業を行っていたりすると、
きちんと本音をつかめていないといわゆる善意の押し売りだけして、自己満足に陥り、
結果として介護に従事する可能性のある人材でさえ異業種に流出させてしまう
というリスクさえはらんでいます。

これは考えてみれば当たり前の話なのですが、本気で望んでいないものを
どれだけ熱心に伝えられたところで、関心がないものについては
学習するには至らないからです。
たとえばもし、あなたが「生け花」に全く関心がなかったとしましょう。
ところが事業所から「これは凄い華道家の講演で、本来であればチケット代
10万円のところ、うちの事業所は無料で参加できるので全員参加するように」
と言われたとします。

実際にその講演会当日、登壇する華道家も熱心に花の種類からいけ方、
生け花の歴史や流派までを詳細な資料を配布しながら伝えたとしましょう。
生け花に無関心なあなたはその講演会をどこまで真剣に自分事として
受講できますか？
恐らくその講演会の時間が苦痛でしかないはずです。
そして恐らくですが、そんな苦痛体験をするとどうなるか？といえば
生け花が嫌いになるのです。

研修を提供するスクールは常にこのリスクを抱えて研修を提供し続けなければ
ならないのです。だからこそ、単に「伝えたいことがある。目指している世界がある」
という善意の押し売りだけで研修を提供してしまうと、かえって目標から
大きく遠ざかってしまうことになるのです。
では重度訪問介護従業者養成研修統合過程を受講しようとする人の
動機は何でしょうか？

ここで重要なのが冒頭の「本音と建て前」なのです。
「重度障害者の生活をささえてあげたい」という綺麗ごとを鵜呑みにしては
かえって業界から離脱させてしまうだけです。
そんな研修であれば開講しない方が業界にとっての貢献度は高いと言えます。
なぜなら介護業界は常時人材不足だからです。

なぜ、それが「綺麗ごと」と切り捨ててしまえるのかと言えば、本音であれば
受講する前から何らかの形で障害者支援の活動に取り組まれているはずだからです。
言葉ではなく行動で評価すればいいだけです。
ところが大半の方がそもそも障害者とかかわったことさえないという状況。
受講にあたって、本音としては「所属事業所に受講するように指示を受けた」
ではないでしょうか？

しかしこれもまだ不十分です。なぜ、ではその事業所の支持に従っているのかまで
明確にする必要があります。
そうするとほとんどの方が「収入を得るため」となるはずです。
だからこそ、重度訪問介護従業者養成研修統合過程を開講する際には
介護のビジネス的な側面をお伝えしているのです。

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