新年を迎えると交流が滞っていた方々とも挨拶を交わす機会があり、
ともすると「今年の目標は？」という会話になるものと思います。
目標を口に出すこと自体はコミットメントにも通じるので
非常に素晴らしいことなのかもしれませんが、
反面、毎年口にしている目標を達成できていなかったとしたら
それは「嘘をつくことが常態化している」と言えるでしょう。

そうすると、本気でやろうと決意したとしても、周囲の人からは
「どうせまた口先だけなんだろう」という想いで見られてしまいます。
心理学では「ピグマリオン効果」というものがあります。
人の意思が介在することで、人の在り方自体にも変化を起こすという
ものですが、以前ご紹介した二重スリット実験などでは
それが単なる心理学だけでなく物理学レベルの法則である
可能性さえあるということをまとめました。

まだまだ最先端の分野でしょうから、引き続き観察と実験を
継続することが求められるのでしょうが、少なくとも、
今自分の周囲にいる人間たちからは「この人は有言実行する人だ」
というイメージを持って接してもらえた方が、本気で自分の
目標を達成するには有効だと言えそうです。

信頼を構築すること。と言ってしまえばそれまでなのでしょうが、
結局人は嘘をつきます。誰もが等しく嘘をつきます。
そんな状況の中で信頼を得ようとするのであれば、有言実行。
すなわち言葉と行動とが一致している必要があるわけです。

例えばどうでしょうか？
どれだけ自分の考えとは異なる人がいたとしても、
その人が宣言したことを毎回確実にこなしているとしたら？
考えは合わないけれども、信頼に足る人物だ、と評価するのでは
ないでしょうか？

逆に口先だけでは自分と全くと言っていいほど同じ価値観を語っているものの
全く行動に移していなかったとしたら？
もし、ビジネスとしてかかわるのであればどちらの方と
タッグを組みたいと感じるでしょうか？

今、所属している事業所に関しても同様に考えてみましょう。
「従業員一人一人の幸せを考えている」という言葉を
どれだけ語ったところで、給与が遅延したり、賞与が支給されなければ
従業員としてはどのようにその所属事業所を評価するでしょうか？

もし、そんな事業所なら辞めてしまう、という結論を出されるなら
自分自身がそのような事業所と同様に言葉と行動が不一致の
人間でないように注意した方がいいのかもしれませんね。

介護業界はこれからますます厳しい状況に追い込まれていくことでしょう。
それは現実的な動きを見ていればそう判断出来ます。
政治家がどれだけ美辞麗句を並べたところで、実際の行動を見ていれば
介護業界が安泰とは誰も思わないはずです。

自分とその家族の幸せのため、利用者とその家族の幸せのため
本気で介護業界の在り方自体を変えていくには、まず
自分自身が言葉と行動を一致させていくことが必要なのかもしれません。

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