しばしば耳にするであろう「決断」という言葉。
「決心」ではなく「決断」というとより強いニュアンスが
感じられるのではないでしょうか？
決心と決断の違いで言われることが「断つ」ということです。

文字通りで「決心」とは自らの心を決めること。すなわち
「そうなったらいいなぁ」を「じゃあやってみようかな」
という状況だと言えるかもしれません。
従ってもし、結果が自分の期待に沿うようなものでなければ
止めてしまって、元の状態に戻るという選択肢が残されているのです。

ホメオスタシス、すなわち恒常性維持機能が生物には
根本的に備わっております。それは生物の基本本能が
「命を守ること」だからです。
今日選択して、今日を生き長らえることが出来るのでれば
明日も同じ選択をすることできっとまた生き残れるだろう、
という本能とも言えます。

これの身近な例が一度入った飲食店をリピートする行為だと言えるでしょう。
あるいはチェーン店が人気なのもこのホメオスタシスによるものと
言えそうです。
なぜなら仮に昨日と異なる選択をするということは未知の体験をすること。
最悪自分の命に関わりかねないことになってしまうからです。

生物の本能としてこのホメオスタシスがあるということは
決心して、とりあえずやってみて、すぐに成果が出なかったなら
元に戻れる、ということもまたホメオスタシスによるものなのです。
ところが、中には困難や何回かの失敗ではあきらめずに
チャレンジを継続される方々もいます。

そういった方々に共通する事項が「決断」です。
現状の選択肢を「断つ」。それにより自分が選択した未知のものであっても
それをやりきる以外に選択がない状態に自らを追い込むことです。
決断することで何事もスタートすると言われます。
実はこれ、介護現場に関しても同じことが言えます。

新型コロナ対策により、これまでのビジネスモデルが破壊されて、
収入を得る方法を変えざるを得ない方々の中には介護業界に
足を踏みいれる方々も多くいらっしゃいます。
そして第一歩としてたった3日間で取れる介護の公的資格である
重度訪問介護従業者養成研修統合課程を受講される訳ですが、
正直2日目までで本気で決断している方はほぼいないと言えます。

なぜなら2日目まではカリキュラムの都合上、知識や技術を
学ぶことに能力を注がなければならないからです。
実際にしばしば受講生から耳にするのが最初の2日間は
どこでもよく見られる研修だ、というものです。
それは知識や技術を凝縮してお伝えするものだからです。

ところがそれこそ介護福祉士まで持っていらっしゃるような方や
介護の資格をほぼ網羅されている方、あるいは介護未経験の方が
3日目を受講されると口々に言われます。
「自分はようやく介護業界で生きていこうと決断した」と。
決断することにより人生はスタートします。
如何にこの決断を生み出せるかが研修の核でもあるのです。

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