指導についてまとめている第5回目。
これまでで指導することの目的についてまとめてきました。
そろそろ最終回に向けてオチをつけていきましょう。
前回現状把握の際にどのように問題の原因をとらえるかで
解決手段が異なってくるということをお伝えしました。

自分自身は仕事が出来るけれども、どれだけ熱心に指導しても
部下が育たないという現状があった際に、それを部下の
力量不足だと部下に責任を負わせてしまう場合は
部下を変えるという解決手段になります。

逆に自分の指導力不足が原因で部下を自分の求める
レベルに育成出来ていないのだと自分に原因を
求める場合は、自分の指導方針を見直すことになるでしょう。
全く同じ問題であっても、捉え方次第で解決手段が
異なってくるわけです。

当然異なる解決手段を取れば結果も異なります。
前者の部下に責任を負わせた場合は、優秀な部下を
採用するにあたってさらなる採用経費がかかることでしょう。
当然それに応じてさらに利益が削減されます。
仮にそれで本当に優秀な部下が来たとしてどうなるでしょうか？

それだけ優秀な人材であればBさんという上司の足元を
見透かしてしまうことでしょう。
上司という立場にありながら部下が優秀であれば
その部下にこき使われてしまうだけです。

半面、自分の指導力不足に原因を求める場合はどうでしょうか？
採用をするわけではないので、利益は変わりません。
しかし部下から見る上司の印象はどうでしょうか？
「あぁ、この人は自分のために必死で指導方法を
考えてくれているのだ」と捉えるかもしれません。

少なくとも自分に原因を求めてその解決手段を
身に着けることが出来たとしたら、今までできなかった
部下指導という仕事をこなせるようにスキルアップした
ということを意味します。
これこそ資産です。

そしてこの資産を活用していけば、利益を拡大できるわけです。
これが指導することの本当のメリットと言えるでしょう。
ですので、何かを学ぶときには「指導する」ということを
念頭において学んでいくといいでしょう。

なかなか具体的なイメージが持てない、という場合は
あなたが一番苦手だと思う人に学んだ内容を伝えて、
その人が同じように出来るレベルを想定しながら
学ぶと学習の効果が飛躍します。

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介護未経験の方に対してたった3日間で
医療的ケアまで出来るようになる研修があります。
その際にもたった3日間かもしれませんが、
誰かに指導するという意識で受講いただくと
3日では得られないほどの効果を体感できるはずです。

同様に実務者研修とはサービス提供責任者になる研修です。
初任者研修が一ヘルパーを育成する研修であるのに対し、
その統括であるリーダーを育成する実務者研修。
しかしどれだけの研修であっても自分に原因を
求めて自己改善するという意識の無い方にとっては
無駄でしかありません。

誰かに指導するつもりで是非貴重な自分の時間を
有効活用いただければと思っております。
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