介護業界がビジネスとしては非常に魅力あるマーケット
であることはこれまで繰り返しお伝えしてきました。
結局のところビジネスの基本を利益追求とするなら
その前提として売り上げを立てることが求められます。
そして売り上げは客数、客単価、購入頻度によって
決定するわけです。

購入頻度という点からいえば、介護サービスの
リピート率はほぼ100%です。しかもその利用率が
1年や2年ではなく数十年単位に及びます。このような
サービスは他に例を見ないことでしょう。
通常であればニーズを見つけ、それに見合ったサービスを
開発し、ようやくヒットしたとしてもすぐに飽きられる
という状態になるので、また別のニーズを探して・・・
ということを永遠と繰り返すのですが、介護はそのは不要なのです。

客数に関しても同様です。日本の人口分布を見る限りは
超高齢社会でもありますし、さらには障害を持った人を
含めると日本の3人に1人は介護を必要としているとも言われております。
このような客数を母体と持つ業界は他にやはりないでしょう。

ではなぜ、この業界が人手不足なのでしょうか？
その要因の一つとして、何をやっているのか具体的に見えていない
ということがあるのかもしれません。
これは実は仕方がない部分もあり、介護をめぐる法律上の
絡みが混乱しやすいからではないかと思っております。

高齢者に対しての介護は介護保険法。障害者に対しての
介護は障害者総合支援法という異なる法律によって
支えられております。
そしてそんな中でも具体的な支援として生活援助というものが
介護保険法で定められたサービスにはあります。

いわゆる調理や掃除、買い物をすることです。
家事手伝いというイメージが近いかもしれませんね。
ところがほぼ同じサービス内容であっても障害者総合支援法では
生活援助ではなく、家事援助と言います。

元になっている法律が異なっているからです。
生活援助と家事援助、非常に似通っている言葉なので
どのような違いがあるのかと思うでしょうが、
元になっている法律が違っているだけなのです。

更にここに生活介護という言葉も加わると混乱を極めてくるでしょう。
生活介護となると先に上げた生活援助や家事援助とは
異なり入浴や排せつ、食事などの支援も含まれるようになります。
利用者の身体に触れて行われる介護ですね。

言葉はともかく、利用者のニーズに応じて介護者は
価値を提供出来ます。その価値があればあるほど
客単価は高められるのです。
では利用者としてどのような人に支援をお願いしたいですか？

交通事故に巻き込まれて死亡する確率が33000分の1とすると
交通事故で寝たきりや半身不随になる確率はもっと身近である
ことになります。突然そのような状態になった時に
どのような人に支援をお願いしたいですか？

その基本を支えているのが研修なのです。
実務者研修は一ヘルパーを育成するための初任者研修とは
異なり、そのヘルパーを取りまとめるサービス提供責任者を
育成するリーダーシップの研修とも言えます。
自身の付加価値を高めていくきっかけとしてご活用ください。

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